生産の本質

人間には寿命というものがあることはご存知でしょう。この「寿命」は、家具や道具といったものにも、もちろんあります。その寿命がくるまでの年月を、家具や道具とどのように過ごすかという人々の選択と最近の傾向に、現代における自然からのメッセージというものが隠されているように感じています。私が家具に興味を持ったのは、祖母の家で見た桐の箪笥がきっかけでした。その箪笥は祖母の祖母の時代から代々使用されてきたものだと教わり、使い捨ての物に囲まれて暮らす現代の生活に疑問を感じたのが始まりです。物は、永遠に生産されるというような勘違いをしてしまうほど、世の中はものであふれています。家具に使用される木材を例に考えてみても、木材は森林の木々を伐採する事で、皆さんの身の周りの家具や道具として生まれ変わる事ができますが、そこには、木々の生命と長い年月と蓄積された時間が必要となるのです。その価値観を、皆さんは家具を購入する際に感じ取っているのでしょうか?桐箪笥は、長年の使用により劣化がみられても職人さんたちのメンテナンスを受ける事ができれば、新品同様に生まれ変わる事が可能になります。このような巧妙な技術をもって製作されてきた家具の知恵を、現代人の生き方にも当てはめて考えてもらいたいという願いがあります。次世代に、引き継がれるよな生き方を学んでもらいたい、そんな願いを家具選びに重ねた部屋作りデザインBOOKの出版を試みておりますが、そのような想いが、果たして使い捨てが主流の世の中に伝わっていくのでしょうか。自分自身に問いかけながら、日々の暮らしを考えております。

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